最終巻を読み終えて、この物語が様々な属性を持っていることに驚く。 青春群像劇であり、ロードムービーであり、ファムファタルの話であり、クライム・ストーリーでもある。 しかし、ラストを見ると、やはりプンプンという青年の成長の物語なのだと思った。 “精神崩壊、トラウマ必須、心がえぐられ、気分が重くなる”漫画が好きな方には特におすすめですが、閲覧注意の漫画が多数含まれていますので、実際に読む際には覚悟して読んでください。, メジャーな漫画だけでなく、マイナーな漫画も含めて、随時紹介したい漫画を増やしていきます!, 貧乏な家庭に育った主人公、母親と2人で暮らしながら平凡な日常に幸せを感じていました。, そこに借金まみれの蒸発した父親が現れ、 金を無心されたことから、衝動的に殺害をしてしまいます。, 殺人犯という特別な人間になってしまったことで、これからの人生を「オマケ人生」として自分自身に1年間の猶予を与え、少しでも残りの命を意味のあるものにしようと悪人殺しを考え付きます。, そこに、主人公に好意を寄せる同級生の少女と出会い、今までの平凡な日常を取り戻そうと考え直そうとしますが、最終的には「人生の終わり」を選択してしまいます。, 日光が照る所には出てこない習性から、日の当たる普通の生活ができない、社会からはみ出してしまった主人公を表していると思います。, 父親の仕事の関係で東京から田舎町の中学校に転校して来た主人公の春花は、クラスメイトから壮絶なイジメに遭います。, 家族を心配させたくないと、中学校卒業までの残りの2ヵ月を必死に耐えようとしますが、イジメは悪化の一途を辿り、遂には、両親や妹にまで危害を加え、家を放火するという恐ろしい事件にまで発展してしまいます。, そこから始まる、命を賭けた凄惨な復讐劇が、本当に恐ろしく、人間の恐怖が描かれたサイコホラー作品です。, 目を背けたくなる場面が非常に多いため、耐性の無い人には結構キツイ内容になっています。, また、イジメの標的になった主人公に目が行きがちですが、加害者側の境遇なども悲惨で、イジメが起こる背景に気付いてあげられない「社会や大人」というメッセージ性を持った漫画でもあります。, 落書きのような“ヒヨコ”の姿で描かれた主人公「プンプン」の波乱に満ちた半生が描かれています。, プンプンの家族・親族以外の人物や情景は、非常に高い描写力のため、一見浮いた存在に見えますが、この落書きのような描写で展開される鬱々とした物語が非常にリアルで、生々しさを際立たせています。, ヒロインの愛子ちゃんがとにかく可愛いいのですが、徐々に壊れていく姿が“辛い”では収まりきらない感情を抱いてしまいます。, 何の苦労もない裕福な家庭に生まれ、万人に好かれる美少年として育った、主人公の大庭葉蔵(おおばようぞう)。, その道化の仮面の下にあったのは、人に怯え、何の目標もなく、流されるままに生きて行く、虚無の表情でした。, そんな彼が生まれて初めて愛することができる女性と出会いますが、流されるままに行き着いた先は、心中という行為でした。, 生き残ってしまった葉蔵は、金・世間・他人、つかむ場所のない深い暗闇の波間で、掴むことができたのは、「女」 に巣食うことでした。, 人間が壊れ、破滅し、堕ちていく様子が描かれ、最後は禁断の果実に手を出し、深い深い暗闇に落ちてしまう、不幸の物語です。, 他の作品でもそうですが、恐怖や君悪さを表現するのが本当に上手い作家さんだなって思います。, 序盤は高校三年生である主人公・俊彦のありふれた日常と学校生活が描かれていますが、中盤に差し掛かると一転、主人公の叔父である久吉による金・権力・支配・暴力・セックスが一気に氾濫します。, 特に久吉の罠にはまり、多額の借金を背負った三ツ輪先生(俊彦の学校の先生)を俊彦の初体験の相手としてあてがったり、文化祭で利彦が苦心の末に作り上げた作品を三ツ輪先生との初体験の映像にすり替えたりと、久吉の支配がどんどん進んでいきます。, 結局、主人公も金や欲、性にどっぷりと溺れてしまい…内容が本当に変態的な漫画で、最終巻では成年コミックに指定された問題作でもあります。, 主人公である教師の恩田さゆりは、かつての父親による家庭内暴力によってトラウマを抱え、それ以来他人から嫌われることを極度に恐れるようになっていました。, 人から嫌われないために何でも受け入れてしまう彼女は、生徒に嫌われたくないがために、平気で関係を持ってしまいます。, 時には、何でも受け入れる行き過ぎた行動により、結果として人を陥れることもいとわないようになっていき、終盤では自らの手で生徒をあやめてしまい、どん底の状態へと下降してしまいます。, また、“人肉食”の問題シーンにより、掲載誌が回収騒ぎに起こした問題作でもあります。, 長年の単身赴任から帰宅した主人公の鈴木一郎(父親)は、不良たちが我が家を占拠していることを知り、不良たちと戦うことになりますが、輪姦・新興宗教・いじめと、一家に様々な困難が怒涛の如く押し寄せます。, それでも屈せずに奮闘する一郎ですが、娘が薬物を飲まされ不良たちの性の奴隷にされたり、高校を中退したり、母親がアルコール中毒になったりと、家族がバラバラになってしまったことで、ついに鈴木家の「解散」を宣言します。, 最終的にはバラバラになった家族が一つにまとまる、家族の愛がテーマの作品ですが、終始内容がぶっ飛んでいます。, 漫画家志望の32歳の主人公のカズヤは、酩酊の果てにスクール水着姿で母校の小学校の屋上から飛び降りますが、気付くとそこは20年前の世界で、自身も小学校6年生に戻ってしまいます。, そこから、己の欲望のままの人生のリスタートが始まり、初恋の幼なじみの少女・アンナを自分のもの(処女を奪う)にするための計画を立て、邪魔な人達を排除していきます。, ここからのカズヤの本当に救いようのないクズ人間ぶりが際立ち、見ていて気持ち悪くなってしまいます。, カズヤの過去の記憶にはない、謎の転校生・いづるの存在がカズヤの計画を狂わせていき、いづるの正体が分かった時の衝撃が忘れられない漫画です。, ブラッドハーレー家では、劇団員養成のために毎年一人ずつ国中の孤児院から養女が引き取られ、ブラッドハーレー家に引き取られた養女達は皆希望に満ち溢れていました。, 年一回の晴れ舞台であるお披露目会に出演することを夢見る養女達でしたが、実際は舞台に上がることなく、何も知らされていない状態で長期・無期服役者が収監される刑務所に送られてしまいます。, 刑務所内で養女達は「パスカの羊」と呼ばれ、過去に刑務所内の暴動により37人の死者が発生した再発防止策として、服役者の性欲求・破壊欲求を抹消することに養女達が利用されます。, 連日、何十人もの服役者から犯され・暴行を受ける養女達の状況は、言葉にできないくらい悲惨で、各話、主人公が変わりますが、どれも結末が残酷過ぎる究極のバッドエンド漫画です。, 「カモメ古書店」には、凶悪な犯罪に巻き込まれた被害者や、その遺族が無念を晴らすために訪れます。, 店主のカモと、その相方のトラは、古書店を営むかたわら、犯罪を犯したにも関わらず、十分な裁きを受けていない犯罪者達に、被害者に代わって復讐を実行する“復讐屋”を兼業しています。, カモはとある事件で妻子を亡くし、トラは強盗に母親を殺害される悲しい過去を持っていて、被害者の痛みを知っている分、復讐の内容は想像以上に過激で残酷です。, 脚色はされているようですが、実際の事件をモチーフにストーリーが作られ、このような事件が実際に起きていると思うと、恐ろしさを感じます。, 本作は第一部で、第二部の「外道の歌」では、カモが“人が人である事を捨てた最悪の出来事”が描かれています。, 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。, “ほっこりする、優しい気持ちになれる、ほのぼのする、ヒューマンドラマ系の”漫画を、おすすめ度が高い順に紹介しています。また、全て完結済みのため、次巻を待つのが苦手な方におすすめです。メジャーな漫画だけでなく、マイナーな漫画も含めて、随時紹介したい漫画を増やしていきます!, “一人で見れない、見たことを後悔してしまう、恐ろしい、怖すぎる”ホラー漫画を、おすすめ度が高い順に紹介しています。また、全て完結済みのため、次巻を待つのが苦手な方におすすめです。メジャーな漫画だけでなく、マイナーな漫画も含めて、随時紹介したい漫画を増やしていきます!, “極上、本格的、読者を圧倒、心拍数上昇、時間を忘れて読んでしまう”サスペンス漫画を、おすすめ度が高い順に紹介しています。また、全て完結済みのため、次巻を待つのが苦手な方におすすめです。メジャーな漫画だけでなく、マイナーな漫画も含めて、随時紹介したい漫画を増やしていきます!, “空想の世界、圧倒的なおもしろさ、独特の世界観、日常を忘れさせてくれる”SF漫画を、おすすめ度が高い順に紹介しています。また、全て完結済みのため、次巻を待つのが苦手な方におすすめです。メジャーな漫画だけでなく、マイナーな漫画も含めて、随時紹介したい漫画を増やしていきます!, 臨場感溢れる音楽漫画や心熱くなるスポーツ漫画が好きな方におすすめの厳選漫画です。全て完結済みの漫画のため、次巻を待つのが苦手な方におすすめです!幅広いジャンルやマイナーな漫画も含めて多数紹介しています!随時、紹介する漫画を増やしていきます!, “本格的、ハマること間違いなし、心拍数上昇、謎解きの快感、ドキドキ感”のあるミステリー漫画を、おすすめ度が高い順に紹介しています。また、全て完結済みのため、次巻を待つのが苦手な方におすすめです。メジャーな漫画だけでなく、マイナーな漫画も含めて、随時紹介したい漫画を増やしていきます!. 出典:この漫画の主人公は、鳥のような形をした可愛いキャラクター。なのにその内容ときたら、人間の醜い部分をエグり出すような内容の連続で、「読んだら鬱になる!」という感想が続出。それでもなかなか読むのを止められない不思議な漫画「おやすみプンプン 誰がなんと言おうと、僕にとっての聖書は『おやすみプンプン』だった。いや、過去形ではない。いまでも何かあるたびに読み返す。, 中学3年の頃から何度も何度も読んで、自分の精神を形成したのはこの作品だと思う。いつか内容を深く考察したいが、それはきちんと頭が働くときにやりたい。今は脳みそが死んでいるので、好きなセリフをピックアップするだけにとどめたい。, それにしても、昔の本を読み返すと新たな気づきがある、この現象はなんだろう。『おやすみプンプン』の1〜6巻を一気に読んだら、中3の頃には響かなかったはずの言葉がやけに胸に刺さった。, サブカル男子を産んだ、と揶揄される浅野いにおだが、私は彼がホンモノの天才だと信じてやまない。, 誰だって生きてる限りご苦労ばかりじゃないすか。その定めだけは誰しも平等に逃れられませんよ。, 僕ぁね!!ひとりでも生きていける!必要なら他人だって蹴り落とす覚悟だよ!!そんな業にまみれてるのが人間じゃないかね!?えぇー!?, 人がどれだけ求め合っても傷つけ合っても、完全にわかり合えないのだとしたら、いったい何を信じてゆけばいいのだろう?なんてね。, でもボカァね!!その自由の先に本当の幸せがあるなんて思わない!!なぜなら「幸せ」とはその「瞬間」であって恒久的なものではないから!!, 嗚呼!!人はいつだってありもしない真実を追い求める人生の迷い人だ!!だから僕わいつだって悲しいんだ!!人はなんて強欲で弱い生き物なんだろうって!!, 今日のプンプンは、とってもひとりぼっちな気分です。こんな気持ちになるくらいなら、はじめからひとりぼっちだったらよかったのにと思いました。, 今日は秋の日差しがなんだかとってもやわらかで、このままずっと目をつむっていたら、水みたいにどこまでも蒸発して飛んでゆけるんじゃないか。, 実はコーヒーのおいしさなんてまるでわかっていないプンプンでしたが、自分の気持ちが少しずつ黒く澱んでいることは、なんとなく、気付いていました。, みんながみんな幸せなんてあり得ると思うかい?人の幸せは他人の不幸の上に成り立ってるんだぜ?, ……ま、恋愛なんて孤独っていう恐怖を和らげる麻薬みたいなもので、醒めた時に広がる更なる恐怖を味わいたくないなら、一人でいるのも決して間違いじゃないけど。, ピースの足りないジグソーパズルのような気持ちを感じながら、それでも大人になるのが人間なのだと信じていた。, …今はその頃の自分を「若かった」の一言で片付けて、でっち上げの屁理屈で帳尻を合わせてるんだ。, 今はただ…器の中の水が表面張力の限界を超えて、一気にこぼれ出すように、心の何かが溢れ出すのを恐れながら、日常を過ごしてる。, たとえ、その神様と呼ばれる存在の正体が、どす黒い魔物だったとしても、それにすがるしかないのが人間なのかもしれない。, たった一人でいいから、頭のてっぺんからつま先まで1ミリの間違いもないくらい……完全にわかり合いたい。, …もし、知ったかぶりをするのが子供で、知らないふりをするのが大人だとしたら、まだまだ自分は子供なのかもしれない、とプンプンは思いました。, 罪を背負った人間が本当に必要なものは罰じゃなくて、許される苦しみを知ることなんじゃないかって思うんです。, …なんだろ。今、この場所にはこんなにたくさん人がいるはずなのに、本物の人間が一人もいないような気がするのは。, どいつもこいつも一人残らずからっぽで、自分自身が誰なのかすらわからなくなってるんじゃないか?, どれだけ解り合うことを望んでたとしても、たとえ相手の気持ちが手に取るようにわかったとしても、受け入れる気持ちがないかぎり、解り合えることなんてないのよ。年をとればとるそど譲れないものって増えてくるから。, …今こうして雨宿りしてるみたいに、一時的な不安や孤独から逃げまわるだけがあたしの人生なんだとしたら、…なんて人生って悲しいんだろう。, chainsaw828さんは、はてなブログを使っています。あなたもはてなブログをはじめてみませんか?, Powered by Hatena Blog "精神崩壊、トラウマ必須、心がえぐられ、気分が重くなる"鬱漫画を厳選してみました。閲覧注意の漫画が多数含まれていますので、実際に読む際には覚悟して読んでください。また、全て完結済みのため、次巻を待つのが苦手な方におすすめです。 誰がなんと言おうと、僕にとっての聖書は『おやすみプンプン』だった。 いや、過去形ではない。いまでも何かあるたびに読み返す。 序盤を読んでいた時の感想 →シュールマンガ 中盤を読んでいた時の感想 →鬱マンガ 全て読み終えた時の感想 →名作 全13巻を読み終えたときの感想は言葉にはし難い感情でした‥‥! しかし他のマンガではここまでの深さは絶対に表現出来ない。 そんな名作こそがッ! | おやすみプンプン名言集 1〜6巻編. 一番好きな漫画は何かと聞かれた時には「おやすみプンプン」と答えます。 浅野いにおが2007年からヤングサンデーで連載(2008年のヤンサン休刊に伴いその後はビックコミックスピリッツに移った)された全13巻の作品で、どこにでも居るような男の子、プンプンの半生を描いた物語です。 ブログを報告する, 君が『君が君で君だ』と言っても、私は「私が私で私だ」と言えない - 松居大悟と他者理解の不可能性 -, PR会社の「ソーシャルディスタンス」へのメッセージに見る、社会の捉え方 - サニーサイドアップ・プラ….