本項では、2010年1月11日に中山競馬場で競馬の競走中に発生した競走馬9頭が落馬した事故について記述する。中央競馬のレースで、1つのレースにおける落馬頭数としては中央競馬史上最多 となる9頭が落馬した。 (10/24), 筆者が今年ここまで実況したビッグレースは、いずれも初めて担当するものばかりでした。春は皐月賞と日本ダービー、4日は欧州最高峰レースの1つである仏G1、凱旋門賞の実況も初めて担当しました。国際映像をモ 詳しくはこちら, 年明けから騎手の落馬事故が相次いでいる。今年の中央競馬開幕日だった1月5日の中山では、同じレースで大塚海渡騎手と三浦皇成騎手の2人が落馬した。1月13日には菅原明良騎手が右大腿骨骨折で全治まで3カ月を要する大けが。2月の東京競馬でも松岡正海騎手が落馬し、大腿骨骨折で全治6カ月の診断が下された。さらにさらに、小倉では中央通算100勝まであと3勝と迫っていた藤田菜七子騎手が鎖骨を骨折する事故と、美浦所属騎手の災難が続いている。, 新年開幕日の大塚騎手と三浦騎手のケースは実況席で見ていたので、よりショッキングに映った。レースは勝負どころを迎え、最後の直線へ。その中山の急坂で事故は起こった。馬群の中、内にコースをとっていた大塚騎手の馬が前の馬に触れて転倒。そのすぐ後ろにいた三浦騎手の馬が巻き込まれた。勝負の行方よりも、倒れ込んだ2人の動きが気になって仕方がなかった。倒れたまま全く動けない大塚騎手と、座り込んではいたが、自ら上半身を起こすことができた三浦騎手。けがの深刻さは明らかだった。直ちに駆け付けた救急車両に大塚騎手が担架で運ばれ、続いて苦痛に顔をゆがめた三浦騎手が搬送されていく様子を放送席から無事を祈りながら見送った。, 長く競馬の放送現場で仕事をしていると、見たくはないのだが、競走馬や騎手の事故を度々、目にすることになる。こうした緊急時に現場にいち早く駆け付け、迅速な対応が求められる日本中央競馬会(JRA)職員に今回はスポットを当てることにした。, 取材したのは、JRA競走部厩舎関連室調整課の山本旗六課長、厩舎企画課の池田勝課長補佐、救護所担当者である東京競馬場総務課の下山瑛司人事厚生係長の3人。取材当日は、救護所に1人、コースに待機する救急車両に1人が乗り込み(救急車にはこの職員以外にも多数の救護要員が乗り込む)、落馬事故などの有事に備えていた。基本的に開催競馬場には救護責任者としてJRA職員2人(この日の東京競馬場担当は山本課長と池田課長補佐)が派遣され、救護業務を統括している。東京競馬場で待機する救急車両は4台。各競走の距離や発走地点などによって、待機場所や動きも少しずつ変えているのを今回の取材で初めて知った。, 山本課長は「我々職員は、原則として落馬事故発生確率が高い位置に配置してある救急車に乗り込みます。もちろん、それ以外にも満遍なく救急車を配置し、車内には複数の救護要員を待機させています。事故があった場合に迅速に対応できる体制、動きを常に心掛けて業務にあたっています」と説明する。レースのもようは、目視に加えてラジオや業務用無線を聴きながら確認しているという。, 「まずはすぐに現場に駆け付け、速やかに騎手の救護にあたります。その際、周回するレースについては、2周目の馬に踏まれるなどのさらなる事故を防止するとともに競走が不成立となることを避けるため、走路から迅速に騎手を運び出すことが求められます。また、救護時は騎手の意識の有無を確認し、意識がある場合は負傷した箇所や程度を聞き取ったうえで、救護所に連絡します」。その後、救急車両の中で騎手の要望(プロテクターを緩めてほしい、顔の泥を拭いてほしい等)に対応するとともに、意識がなければ引き続き声を掛けて、経過の変化を確認する。救護時に首(=頸椎〈けいつい〉)をしっかりと固定する重要性は、医師から繰り返し説明を受けており、搬送時には特に注意しているという。, この間に連絡を受けた救護所では、職員と医師、看護師が負傷した箇所や程度の情報共有を行い、応急処置が必要と判断した場合は薬剤の準備を、重傷を負っている場合は直ちに救急病院を手配する。救急病院に関しては、開催日のほとんどが土日であるため、速やかに搬送を受け入れてもらえるよう、府中市内の救急医療機関と常に連携をとっているという。, 池田課長補佐は「救護所には医師と看護師が常駐しています。基本的にJRA職員は医療現場での経験がないことから、救急救命士を招いての定期的な講習や、救護訓練は欠かさず行っています。開催日の朝も救護訓練から始まります。業務を始める前の15分程度、実際の落馬事故を想定して訓練を行っています。今朝は下山に落馬負傷した騎手の役を務めてもらい、担架に乗せる作業や負傷箇所の確認といったシミュレーションを繰り返し行いました。常にこうした訓練をすることで、実際に事故が起こった際に即座に対応できるようにしています」, 「数多くの落馬現場を目の当たりにしてきました。ですから、特に落馬率の高い障害競走を含めて、一日が無事に終わるとホッとします」, 我々アナウンサーの中には、障害戦は平地競走より長い時間レースを楽しめるという理由で、勝馬投票券を毎回購入する人がいる。が、救護所の職員は、落馬率が高いレースという意識を持って障害戦を見守っている。特に、中山グランドジャンプや中山大障害当日は、人員を増やして対応しているという。, 常に危険と隣り合わせの競馬を、別の緊張感をもって見守ってきた職員3人も、人事異動の季節を迎える。池田課長補佐は「騎手の方が毎レース、命を懸けて騎乗し、競馬を支えてくれているということは常に感じていましたし、今後も忘れずにいたいと思っています。我々職員や救護スタッフも常に張り詰めた意識の中で業務にあたっていますが、落馬事故の際に最もつらい思いをしているのは当然、騎手自身です。これからも、少しでも騎手の痛みや不安を和らげられるよう救護体制を構築していかないといけないですし、そういう引き継ぎをするつもりです」と語ってくれた。, ときに緊迫した現場に遭遇することもあった救護所の職員にとって、これからは少し肩の力を抜いて競馬に接することができるのかもしれない。長い間本当にお疲れ様でした。, 中央競馬は事前に指定席券を購入するという条件付きながら、10月10日からファンの入場を再開。11月7日からは、1日当たりの発売席数を東京競馬場の場合、1047席から4384席と大幅に増やして開催しま (10/10), 各アナウンサーが出演、ラジオNIKKEIの競馬番組はこちらでチェック! http://www.radionikkei.jp/keibaradio2/. 1月13日には菅原明良騎手が右大腿骨骨折で全治まで3カ月を要する大けが。2 2月の東京競馬でも松岡正海騎手が落馬し、大腿骨骨折で全治6カ月の診断が下された。� 【JRA】 昨日開幕した京都競馬場は4つのレースで単勝万馬券の波乱の幕開けとなったが2日目の今日は、京都競馬1Rダート1200m未勝利戦で5人の騎手が落馬、6頭の馬が競走中止する多重落馬事故が発生した。京都競馬の波乱は続いている。 (11/7), レース実況の前の欠かせない作業に、レースごとの服色表作りがある。アナウンサーが俗に「塗り絵」と呼ぶ作業だ。レースで騎手が着る上着、いわゆる勝負服の色を塗って、実況する前に頭にたたき込み、実況の際は時 …続き 有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。, 企業での記事共有や会議資料への転載・複製、注文印刷などをご希望の方は、リンク先をご覧ください。 …続き …続き